20111225
今日テレビから流れてきた会見は、あの時を思い出させる、自分と重ね合せた時間だった。
最愛の人を送った直後に、舞台に立ち、記者に囲まれ、しっかりとメディアに向けて近況を報告する。その堂々とした姿を見て、どうしてこんなに強くいられるのだろう、と心底思った。
6年前のクリスマス、僕は同じように弟を見送った。
そこまでのおよそ5年間の”戦い”や、それから今日までの6年間。
本人だけじゃなく、周りの人の人生が180度変わってしまう病。
「学んだことは何でしょうか・・・?」
記者から飛ぶ容赦ない質問をひとつひとつ、自分だったらどう答えるだろう。
自然と自分の頃と重ね合わせながらテレビを見ていた。
病は憎い。
なんでこいつが。なんで俺が、そうやって思う。
でも、皮肉にもそこから学んだことは多い。これは自分にしかわからないだろう。眠れなくなったり、思いにふけったりしては、今もわからない答えを探し続けている。きっと、親父もおかんも一緒だろう。
時間は誰にも平等ではない。持ち時間はきっと生まれた時に決まっている。
だからその分やらなけりゃ、生きなきゃいけないよな、お前怒るよな、って思う。毎日思う。
会見から”戦い”という言葉が聞こえてきた。
そう、戦いだった。きっと本人にも、みんなにも、俺にも。
でも、戦いは旅立った後も終わらない。むしろ、見つけられない答えを探しに行かなきゃならない戦いが始まる。
歌舞伎役者として、父として、そして夫として全てを背負い、あの舞台で立派に話している姿に感服した。これから残された人生、彼らしか生きることができない時間を大切に過ごしてほしいと心から思う。